まつもと内科クリニック

お問い合わせ先
 TEL:046-838-5856
 日曜診療あり JR久里浜駅前
糖尿病の食事療法

食事療法の基本

1:適切なエネルギー量を守る

1日に必要なエネルギー量(カロリー)を必ず守りましょう
食べ過ぎに注意し、指示されたエネルギー量の範囲内で食事を摂り、過剰な摂取は避けます。

1日に必要なエネルギー量(目安)
標準体重 × 活動係数
[標準体重の計算]
標準体重(kg)= 身長(m) × 身長(m) × 22

22とは…
BMI=体重(kg) ÷ 身長(m)²という指標があります。日本人の大規模データでBMIが22前後の人が最も死亡率・病気のリスクが低いという結果がありこれを「標準体重」として採用しています。

活動係数(一般的な目安)

活動量 係数 説明
低い(座り仕事が中心) 25~30 kcal 最もよく使われる
普通(軽い運動や外出あり) 30~35 kcal
高い(肉体労働・運動量多い) 35~40 kcal

計算例
身長 165cm(1.65m)、活動量:低い
標準体重=1.65 × 1.65 × 22 ≒ 59.9kg

1日の摂取エネルギー量
59.9 × 25~30 ≒ 1500~1800 kcal/日

2:栄養バランスの良い食事を規則正しく摂る

炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維を過不足なく摂ることが重要です。特に炭水化物、たんぱく質、脂質の割合は重要です(例:炭水化物40~60%、たんぱく質20%まで、脂質20~30%など)。
1日3食を決まった時間に規則正しく摂ることが、血糖値の急激な変動を防ぐためにとても大切です。食事を抜いたり、まとめ食いをしたりすることは避けましょう。
バランスの良い食事

3:食べ方や調理法を工夫する

よく噛んでゆっくり食べることで、血糖値の急上昇を防ぎ、満腹感を得やすくなります。
血糖値の上昇を緩やかにするため、食物繊維の多い野菜や海藻類を先に食べ、次にたんぱく質の多い主菜、最後に炭水化物の主食を食べる順番を意識しましょう。
高血圧の予防のため、食塩の摂りすぎに注意し、薄味を心がけましょう。
飽和脂肪酸(肉の脂身など)やコレステロールの摂りすぎに注意し、魚や大豆製品など、質の良い脂質やたんぱく質を上手に取り入れましょう。
間食は、可能な限り控えるのが理想ですが、摂る場合は回数や頻度を決め、少量にしましょう。

糖尿病の食事療法において、「食べてはいけないもの」は基本的にありませんが、量とバランス、食べ方が大切です。

栄養素の配分・バランスのとれた食事

エネルギーのもとになる三大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質)、ビタミン、ミネラル、食物繊維

炭水化物:ブドウ糖となり、私たちのからだのエネルギー源となります。
・ごはん、パン、麺など

たんぱく質:筋肉や臓器などからだを形作る重要な栄養素です。
・肉、魚、卵、大豆製品など

脂質:からだのエネルギーとなり、ホルモン、細胞などを作る材料となります。
・サバ、サンマ、イワシなどの青魚、オリーブオイル、なたね油、くるみ、アーモンドなど

ビタミン:豚肉、玄米、大豆、うなぎ、ブロッコリー、ピーマン、アーモンド、鮭、いわし、干しシイタケ

ミネラル:海藻類、豆類、ナッツ類、牡蛎、卵、納豆、全粒穀物、豆腐、小魚、野菜、果物

日々のバランスの取れた食事から摂取することが基本です。

まごわやさしい
「まごわやさしい」
まめ(豆類):マグネシウム、亜鉛
ごま(種実類):マグネシウム、亜鉛
わかめ(海藻類):マグネシウム、クロム
やさい(野菜):カリウム、マグネシウム
さかな(魚介類):亜鉛、クロム、カルシウム
しいたけ(きのこ類):カリウム
いも(いも類):カリウム
食物繊維:主にビタミン、ミネラルを含む糖尿病の食事療法において非常に重要な役割を果たします。
・野菜、きのこ類、海藻類

主食(ごはん、パン、麺など)、主菜(肉、魚、卵、大豆製品など)、副菜(野菜、海藻、きのこ類など)が揃った献立を毎食心がけましょう。

参考情報

糖尿病で積極的に摂りたいビタミン

ビタミン 主な働き 豊富な食材の例 意識したいポイント
ビタミンB1 糖をエネルギーに変えるのを助け、血糖コントロールをサポートします。糖尿病患者は不足しがちと言われます。 豚肉(ヒレ・モモなどの赤身)、玄米、大豆、うなぎ にんにくや玉ねぎに含まれるアリシンと一緒に摂ると吸収率がアップします。
ビタミンC 強い抗酸化作用で活性酸素を除去し、動脈硬化などの合併症予防に役立ちます。糖尿病患者は血液中の濃度が低くなりやすい傾向があります。 ブロッコリー、ピーマン、パプリカ、いちご、キウイ、柑橘類 水溶性で熱に弱いので、生やサッと加熱する調理法がおすすめです。
ビタミンE 抗酸化作用があり、ビタミンCと一緒に摂ることで、より強力な合併症予防効果が期待されます。 アーモンドなどのナッツ類、かぼちゃ、アボカド、モロヘイヤ、うなぎ 脂溶性で、油と一緒に摂ると吸収率が高まります。
ビタミンD インスリンの分泌やインスリンの効き(感受性)を高める働きが近年注目されています。日本人全体で不足しがちです。 、まぐろ、いわしなどの魚介類、干ししいたけなどのきのこ類、卵黄 食事だけでなく、適度な日光浴によっても皮膚で生成されます。
ビタミンB2 脂質や糖質の代謝をサポートします。 レバー、納豆、卵、魚(サバ、イワシなど)、乳製品

糖尿病で積極的に摂りたいミネラル

ミネラル 主な働き 豊富な食材の例 意識したいポイント
マグネシウム (Mg) インスリンの働き(感受性)を高めるのに必須。不足するとインスリンの作用が鈍くなり、血糖コントロールが難しくなる可能性があります。 海藻類(わかめ、ひじき)、豆類(納豆、大豆)、ナッツ類(アーモンド)、全粒穀物、ほうれん草 糖尿病リスク低減との関連が大規模研究で示唆されています。日本人は不足しがちと言われます。
亜鉛 (Zn) インスリンの合成・貯蔵・分泌など、インスリン作用の全過程に関わります。不足するとインスリンの機能が低下する可能性があります。 牡蠣、豚レバー、牛肉、卵、納豆、ごま、チーズ
クロム (Cr) インスリンの働きをサポートし、血糖値を正常に保つ作用が注目されています。特に2型糖尿病に対する有効性が示唆されています。 魚介類(イワシ、貝類)、肉類、海藻類、全粒穀物、豆類
カルシウム (Ca) インスリンの分泌を促すシグナル伝達に関与します。ビタミンDと併せて摂ることで、糖尿病リスクを低下させる可能性が示唆されています。 牛乳、ヨーグルト、豆腐(木綿)、小魚(しらす、煮干し)、小松菜 ビタミンD(鮭、きのこ類)と一緒に摂ると吸収率が高まります。
カリウム (K) 高血圧の予防・改善に役立ち、降圧効果が期待できます。高血圧は糖尿病の重要な合併症リスクの一つです。 野菜、果物、いも類、豆類、海藻類 腎臓の機能が低下している場合は、摂取制限が必要な場合があるため、医師の指示に従ってください。

糖尿病の食事療法向け 一汁三菜 献立例

分類 献立名 栄養素のポイント
主食 雑穀米 または 玄米入りごはん 白米よりも食物繊維やマグネシウム、ビタミンB1が豊富で、血糖値の上昇が緩やかです。(低GI)
汁物 豆腐とわかめのお味噌汁 マグネシウム豊富なわかめ(海藻類)と、大豆製品(豆腐)で植物性たんぱく質を補給。具沢山にすることで満足感もアップします。
主菜 豚ヒレ肉のソテー キノコソース添え ビタミンB1が豊富な豚ヒレ肉を使用し、糖質の代謝をサポート。キノコ(しめじ、舞茸)は食物繊維とビタミンDが豊富です。
副菜1 ほうれん草とひじきの胡麻和え マグネシウム、カルシウム、鉄分が豊富なひじき(海藻類)と、マグネシウムを含むごまを組み合わせました。
副菜2 ブロッコリーとパプリカの彩りサラダ ビタミンCが豊富なブロッコリーとパプリカを使い、抗酸化作用で合併症を予防します。アマニ油やオリーブオイルを少量使うとビタミンEの吸収も助けます。